最近では、人手不足や騒音問題などの影響で
やらなくなった地域もあるようですが、
やっぱり楽しい「盆踊り」。
ふと通りかかった街角で、ちょうちんの灯やお囃子、
楽しげな笑い声が聞こえると、心が温かくなります。
夏の風物詩ともいえる盆踊り。
いろいろな曲がある中、一番人気はやっぱり
「炭坑節」じゃないかな、と思うんですよね。
盆踊りの輪の中に入っちゃえば、前の人の真似して
何となく踊れちゃうと思いますが、
どんな唄なのか、どんな由来があるのか、
知ってたほうがより楽しいはず!
みんな大好き「炭坑節」の由来や振り付け、
しっかり調べてきましたよ!
楽しく踊りましょう!
盆踊りでよく使われる「炭坑節」の由来とは
「炭坑節」(たんこうぶし)とは、その名のとおり、
炭鉱の炭鉱労働者たちの間で唄われていた民謡。
炭鉱(炭坑)と聞いても、どういうものか
ピンとこない、という若い人もいるかもしれませんね。
炭鉱とは、石炭を掘り出すための鉱山。
「炭坑節」の”坑”は、坑道の意味だそうで、
(石炭を掘る際に造られる通路。トンネルのようなもの)
一般的には「炭鉱」という字を使いますが、
「炭坑節」の場合は、”坑”の字を使ってます。
その石炭、”黒いダイヤ”とも言われ、
戦前戦後の日本を支えたエネルギー資源でした。
石油に取って代わられるまで、
炭鉱は日本のあちこちにたくさんあったんです。
炭鉱のまわりには、そこで働く人々が住む町ができ、
どこも大変賑わっていました。
世界遺産登録で注目された、長崎の軍艦島も、
海底炭鉱で働く人々が暮らす街だったんです。
現在では、日本にはもう、使われている炭鉱は
ありません。
1970年代にほとんど閉鎖され、残っていた炭鉱も
数年前に業務をすべて終了しています。
さてさて、「炭坑節」歌詞に登場する炭鉱は、
福岡県の三井三池炭鉱。
とても大きな炭鉱だったそうです。
「炭坑節」のもとになった歌は、他の炭鉱で
唄われていたものらしいのですが、
どういういきさつか、昭和7年(1932年)に
伴奏をつけて、初めてレコード化されました。
そして戦後、改めてレコード化され、全国展開。
最初は、盆踊り用というわけじゃなくて、
お座敷や宴会で唄われていたみたいですよ。
三味線とお囃子で、とにかくいい調子。
なんか自然と手拍子したくなります。
振り付け、覚えてみたいなぁ、って、思いません?
お任せください。
「炭坑節」の振り付けと覚え方、
お教えいたしましょう!
盆踊りでよく使われる「炭坑節」の振り付けと覚え方
踊り方を見る前に、歌詞を知っておきましょう!
そのほうがきっと楽しく踊れます。
炭坑節(たんこうぶし)歌詞
月が出た出た 月が出た ヨイヨイ
三池炭鉱の 上に出た
あまり煙突が 高いので
さぞやお月さん けむたかろ サノヨイヨイ
ひとやま ふたやま みやま越え ヨイヨイ
奥に咲いたる 八重椿
なんぼ色よく 咲いたとて
サマちゃんが 通わにゃ 仇の花 サノヨイヨイ
もぐら日の目は 苦手だが ヨイヨイ
山のおいらは いきなもの
坑道(しき)を出るのを 待ちかねて
可愛いあの娘が 袖を引く サノヨイヨイ
連子窓(れんじまど)から 月がさす ヨイヨイ
主の寝顔の 愛おしさ
おかぜめすなと 打ちかける
心こもりし 袖布団 サノヨイヨイ
お前先山 仕事なら ヨイヨイ
私しゃ選炭 音頭とり
苦労する気と させる気を
唄でのろけて 共稼ぎ サノヨイヨイ
実はこの歌詞、歌い手さんによって、
(女性だけ、男性と女性のペア、男性だけ)
2番以降の歌詞に違いがあります。
長年唄い継がれてきた唄ということもあって、
いろいろなバリエーションがあるようです。
皆さんがご存知の歌詞と違うかもしれません。
何卒ご容赦ください!(^^)!
さてさて、いよいよこれに合わせて踊るんですが、
基本は「炭坑で働く人の動作」。
振り付けを覚えるときに便利な、
「魔法の呪文」があるんです。
こんな感じです。
掘って掘って また掘って
担いで担いで 後戻り
押して押して 開いて
ちょちょんがちょん
ちょちょんがちょん、は「手拍子」です。
この振り付けを、ただひたすら繰り返します!
【踊ってみよう!炭坑節】
♪月が~ ♪出た出た~
(掘って掘って また掘って)
♪月が~出た~ぁ(ヨイヨイ)
(担いで担いで 後戻り)
♪三池炭坑の~
(押して押して)
♪上に~出た
(開いて ちょちょんがちょん)
♪あんまり~ 煙突~が
(掘って掘って また掘って)
♪高い~の で~
(担いで担いで 後戻り)
♪さ~ぞや~ お月さん
(押して押して 開いて)
♪けむた~かろ (サノヨイヨイ)
(ちょちょんがちょん 掘って掘って)
【盆踊り】炭坑節【お手本動画】
1曲踊ると、けっこう足が疲れる!
下手なエクササイズよりずっと運動になります。
踊りは、もっと個性出してみてもOKです。
下がるところを間違えると、前の人と
ぶつかっちゃうので気をつけて!
まとめ
「炭坑節」は盆踊りの花形。
この音楽がかかると、会場の端っこでこそっと
見物していた人たちも、櫓のまわりに集まります。
踊りは、曲の節目と一致していないので、
少しずつずれていくんですが、それがまた
スリリングで楽しい!
盆踊り会場で「炭坑節」マイスターとなって
キレのある踊りを披露してくださいね!