発熱、喉の痛みや咳、鼻水など、風邪をひくと辛いですよね。
しんどい体にムチを打って、仕事や家事をこなされている
方々には本当に頭が下がります。
さて、やっと風邪の症状が治まってきたと思ったのに、
何故だか長引く咳にお困りでないですか?
咳が出ると、会話中にむせたり、夜も熟睡できなかったりして、
だんだん日常生活に支障をきたすようになっていきます。
咳が止まらない場合、一体どこの科を受診するべきなのでしょう。
内科? 呼吸器内科?
何か怖い病気だったりして…と嫌な想像も膨らんで、
精神衛生上良くありませんね。
今回は、そんな長引く咳について、
どんな原因が可能性として挙げられるか、
また、それらの原因に対して何科を受診すれば良いのかを
まとめていきます。
風邪の後なかなか治らない咳はどんな病気が潜んでいる?
咳が治らない原因には
さまざまな病気が可能性として挙げられますので、
以下はその一部になります。
① 咳喘息
【特徴】
・1ヶ月以上の乾いた咳が続いている
・横になったとき、特に明け方にひどくなる
・喘息特有の呼吸音(ヒューヒュー、ゼイゼイ)や発熱、痰はない
【原因】
室内外の温度差、たばこの煙、香水などの香り、
運動、ストレス、ハウスダストなどに
気管支が過剰反応したことで咳が出ます。
風邪のあとに2~3週間以上、咳が続くようであれば
咳喘息を疑います。
慢性的に続くことで、喘息へ悪化することもありますし、
再発を繰り返す可能性もありますので、
症状に心当たりがある方は早めの受診が賢明でしょう。
② 気管支炎
【特徴】
・継続する期間で急性気管支炎と慢性気管支炎に分かれる
(前者は約3か月、後者は2年以上の長期に渡る)
・初期は乾いた咳が出る
・次第に痰混じりの咳になっていく
・夜間は呼吸困難や息切れが生じることも
・全身の倦怠感がある
【原因】
急性気管支炎の場合は、気管支粘膜にウイルス感染がひろがり、
炎症を起こしたことで咳が出ているので、
この原因菌が排除されることで咳も治まります。
慢性気管支炎の場合は、
まだ明らかな原因が判明していませんが、
大気汚染や喫煙をされるなど
汚れた空気を吸う機会が多い方に
症状があらわれることが多いため、
これらが原因の一つではないかと考えられています。
③ 心因性咳嗽
【特徴】
・空咳が続く
・睡眠中は咳が出ない
・検査では特に病的初見が見つからない
【原因】
心因性というだけあり、過度なストレスにより
気道が反応を起こして咳が出ます。
④ 副鼻腔気管支症候群
【特徴】
・気管支炎の症状(咳や痰、息切れなど)と、
鼻の症状(鼻水、鼻づまり、嗅覚障害など)が併発
・粘り気のある痰が大量に出る
【原因】
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と、慢性気管支炎や気管支拡張症、
びまん性汎細気管支炎(せいはんさいきかんしえん)
などが合併したものです。
副鼻腔から気管支の粘膜が慢性的に炎症を起こす
何らかの体質的障害によるものと考えられています。
風邪の後の咳がなかなか治らないなら病院は何科に行くべき?
前章にて紹介した病名ごとに分けますと…
①咳喘息、②気管支炎、④副鼻腔気管支症候群
内科、アレルギー科、耳鼻科でも良いかもしれませんが、
違う診断をされて遠回りしてしまう可能性もありますので、
まずは呼吸器関係に強い「呼吸器内科」に受診してみましょう。
③心因性咳嗽
ストレスが原因ですので、
そのストレスを取り除く必要があります。
受診するべき科としては、
「精神科・神経科」や、「心療内科」が挙げられます。
まとめ
今回は、長引く咳の原因と、
何科を受診するかについてまとめました。
最近は、なかなか忙しくて受診ができない
という方も少なくありません。
中には何か所か病院をめぐって、
ようやく本当の病名に辿り着いたというお話もあります。
受診の前にはあらかじめご自分の症状から、
ある程度受診する科に目星をつけておくことは
大切になってきます。
咳に関する症状が主だっているのであれば、
受診する科は、基本「呼吸器内科」を選択すれば大丈夫です。
ただし、心因性によるものであれば、
「精神科・神経科」や「心療内科」も
視野に入れて選択しましょう。