家庭料理の定番といえば、カレーですね。
ついついたくさん作ってしまうから、次の日もカレー…
なんてよくありますよね。
でも、ちょっと待ってください!
湿度が高い夏に、カレー鍋をそのまま置いておくのはとても危険です。
ただでさえ常温で食べ物を置いておくのが危険な季節。
作る時に煮込んでいても、スパイスをたくさん使っていても、
常温保存はやめましょう!
今回は、なぜ常温保存が危険なのか。
そして、夏場はカレーをどうやって保存したら良いかについてご紹介します。
カレーを常温保存するのはナゼ危険?
何が危険かというと、ズバリ食中毒です。
でも、食中毒は、火を通していない食べ物で起きるイメージですよね。
ところが、煮込み料理でも生き残る細菌がいます。
その名は「ウェルシュ菌」。
ウェルシュ菌は、人の腸の中や土の中、水の中など、
自然界に多く生きている菌です。
もちろんカレーによく使う、豚肉や鶏肉、
魚介類にも住んでいる菌です。
空気がなく、酸素が少ない場所を好むので、
カレーやシチューといった料理の鍋の底などで増殖します。
しかも、ルーを入れる前でも入れた後でも変わりはありません。
普段は「芽胞」というカプセルのようなものに包まれているので、
悪さをすることはありません。
逆に、芽胞に包まれているので、100℃以上の高温でも身を守ることができます。
そして、ウェルシュ菌にとって心地よい温度になると、
発芽して、増殖し始めます。
このウェルシュ菌に冒されたカレーを食べると、
10時間後くらいに腹痛や下痢といった、
食中毒の症状が出ます。
カレーは夏場に常温で何時間まで安全に食べられるのか?
では、夏場のカレーは作ったらすぐ冷蔵庫に入れないといけないのか。
でもそれは現実的に難しいですよね。
何時間くらいなら常温で保存しても問題ないのでしょうか?
ウェルシュ菌が繁殖するのは、20~50℃くらいです。
そのくらいの温度になってから、約5~7時間くらいすると、
増殖し始めます。
かといって、カレー鍋をいつも沸騰させてグツグツ煮込むのは、
焦げる心配がありますよね。
なので、作ってから5時間くらいが、
夏場でも常温で保存できる時間ということになります。
たとえば、夕飯にカレーを食べるなら、
夕方に作って、夕飯を食べ終わったら冷蔵庫にしまうと、
食中毒の危険は低くなります。
夏場にカレーを作った後はこう保存するのが正解
たくさん作ったカレーを保存するには、
作ってから5時間ほど経って、冷めてきたら冷蔵庫へ入れて、
ウェルシュ菌が発芽しない温度で保管しましょう。
作った次の日に食べるなら、冷蔵庫での保存で大丈夫です。
量が多くてその次の日も食べる場合は、冷凍庫での保存がオススメです。
小分けにして、保存ケースに入れておきます。
1週間くらいで食べきるようにしましょう。
電子レンジに対応したケースで冷凍保存する場合でも、
温め直すときは、鍋に入れて温めましょう。
カレーは油分が多く、ブラスチックの容器が溶けてしまう場合があります。
冷凍保存すると、最初は水っぽく見えますが、
戻していくうちに、もとのトロミ加減に戻っていきます。
適度に水分を飛ばして、ハンバーグのソースやカレードリアにしても
おいしいです。
余談ですが、カレーやシチュー、煮物などの
煮込み料理は、温度が下がって冷めていくことで、
食材に味が染み込みます。
何時間もかけて煮込むより、火が通ったら冷ました方が、
味が染みて、おいしい料理になります。
「一晩寝かせたカレーがおいしい」と言われるのは、
安全に冷まして保存したカレーのことかもしれませんね。
カレーの付け合わせにレタスのサラダもおすすめ。
丸ごと1個のレタスを腐らせず長持ちさせる方法はこちらを参考に!!
しっかり保存して夏もたくさんカレーを食べよう
スパイスがあっても、カレーも食中毒の危険があります。
熱にも強いウェルシュ菌、怖いですね。
常温での保存は、夏場はどんな食材も危険なことがわかりました。
みんなが大好きなカレーで、家族が食中毒にならないように、
保存方法に気を付けて、たくさんカレーを食べたいものですね。